あらすじ
一人っ子の高校二年生・神谷遼太には、ずっと憧れている存在がいた。
――妹である。
アニメやゲームに登場するような、可愛くて、兄を慕ってくれて、毎日が楽しくなるような妹。そんな『理想の妹』がいつか自分にもできたらいいのにと、遼太は密かに願い続けていた。
そんなある日、困っている人を助けた遼太は、その相手が普通の人間ではなく、天使ミエルだった。
「ある程度の願いなら、叶えてあげる」
そう言われた遼太が迷わず口にした願いは――。
「妹が欲しい」
そして母の再婚によって、遼太に本当に『妹』ができることになる。
ところが、現実の妹・莉奈は遼太の想像とは違っていた。
「兄貴、これ持って」
「兄貴、プリン買ってきて」
「兄貴なんだから、それくらいやってよ」
兄を敬うどころか、何かと遼太をパシリにする妹。
理想と現実のあまりの違いに戸惑う遼太だったが、天使のミエルは冷たく言い放つ。
「妹はゲームの攻略対象じゃない。現実の人間よ」
別々の高校に通い、それぞれ違う毎日を送る遼太と莉奈。
家ではくだらないことで言い合いながらも、少しずつ一緒に過ごす時間が増えていく。そして遼太は、これまで知らなかった莉奈の一面や、自分に対する本当の気持ちを知っていくことになる。
一方、学校では同級生の白石灯里と仲良くなり、遼太の中に新しい感情が芽生え始める。
『誰かを助けること』とは何なのか。
『家族になる』とはどういうことなのか。
そして、自分が本当に欲しかったものは何だったのか。
理想の『妹』を求めていた少年は、少しずつ現実の人間と向き合うことを覚えていく。
笑って、喧嘩して、頼られて、ときにはすれ違って――。
そんな当たり前の日々の中で、遼太が見つけていくのは、ゲームには描かれない本当の『家族』と、人を好きになるということの意味だった。
これは、『理想の妹』を夢見ていた一人っ子の少年が、騒がしくも温かな家族と出会い、自分自身の居場所を見つけていく、日常系×家族ドラマ×淡い恋の物語。