あらすじ
高校三年間、矢城勇真(ヤシロ ユウマ)の青春には何もなかった。
友達はいない。彼女もいない。クラスでは目立たない最下層。時にはいじめられても、言い返すことすらできない。
卒業式の日、楽しそうに笑う同級生たちを一人で眺めながら、勇真はようやく気づく。
――このまま大学へ行っても、社会人になっても、俺が変わらなければ何も変わらない。
「どうせ変わるなら徹底的に変わってやる。人生の勝ち組になってやる」
そう決意したはずだった。
ところが次に目を覚ますと、そこは三年前――高校の入学式の朝だった。
今度こそ最高の高校生活を送る。
友達を作る。恋をする。勉強も運動も、人間関係も成功させる。
そう意気込んで最初の一日を過ごした勇真だったが、翌朝、目を覚ますと――。
また、入学式の朝だった。
どうやらこの高校生活は、何かを間違えると先へ進めない。
しかも、何が正解で何が間違いなのか、誰も教えてくれない。
人気者の幼なじみ・名取桃香(ナトリ モモカ)。
勇真を露骨に嫌うギャル・清水千尋(シミズ チヒロ)。
何もかも完璧に見えるクラスの人気者・成瀬健太(ナルセ ケンタ)。
そして、かつて勇真をいじめていた真下徹(マシタ トオル)。
一度目の高校生活で知っていたはずの彼らも、向き合ってみれば知らなかった顔を持っていた。
失敗して、戻って、考えて、また選ぶ。
何度でも繰り返す高校生活の中で、勇真は少しずつ変わっていく。
そしてやがて、ある疑問を抱き始める。
なぜ自分は高校入学の日に戻ったのか。
そしてなぜ――卒業式の後の記憶だけが、どうしても思い出せないのか。
これは、何も持っていなかった一人の少年が、何度も青春をやり直しながら「人生の正解」を探す物語。
●キャラクター紹介文
【矢城勇真(ヤシロ ユウマ)】
本作の主人公。
気が弱く、人付き合いが苦手な高校生。周囲の目を気にしすぎるうえにネガティブ思考で、高校三年間を友達も彼女もできないまま終えてしまう。
頭も運動神経も決して悪くなく、中学まではバスケットボールをしていた。普段は優柔不断だが、いざという時には状況を素早く判断し、行動に移せる意外な一面を持つ。
卒業式の日、自分の惨めな高校生活を振り返り、「人生の勝ち組になる」と決意。しかし次に目覚めると、高校入学式の朝へ戻っていた。
失敗すれば繰り返される青春の中で、自分自身と人生を変えようと奮闘していく。
【名取桃香(ナトリ モモカ)】
勇真とは小学生の頃からの知り合い。
明るく社交的で、男女問わず自然と人が集まってくるクラスの中心人物。頭が良く、運動神経も抜群で、女子バスケットボール部でも活躍する。
負けず嫌いな一面もあるが、誰とでも分け隔てなく接することができる。
勇真から見れば、自分とは正反対の「充実した青春」を送る存在。
【清水千尋(シミズ チヒロ)】
派手な見た目と強気な性格が特徴のギャル。気が強く、口調も態度もかなり攻撃的。
仲間思いで面倒見がよく、曲がったことを嫌うため、友人たちからの信頼は厚い。
なぜか勇真のことを強く嫌っており、顔を合わせれば冷たい態度を取る。
しかし勇真が高校生活を繰り返し、これまで見せることのなかった一面を見せ始めたことで、二人の関係にも少しずつ変化が生まれていく。
【栗原友香(クリハラ トモカ)】
千尋の親友。
明るく騒がしいムードメーカータイプのギャル。中学生の頃から千尋と行動を共にしており、誰よりも彼女を慕っている。
自分から強く意見を主張するタイプではなく、千尋についていくことが多い。
【三島由香(ミシマ ユカ)】
長い黒髪とクールな雰囲気が特徴の女子生徒。
成績は学年でもトップクラスだが、運動はあまり得意ではない。
かなりの毒舌家で、言葉や態度から冷たい人間だと誤解されがち。しかし実際は困っている人を放っておけない優しさを持つ。
気の強い千尋とは意見がぶつかることも多い。
【林円花(ハヤシ マドカ)】
小柄で物静かな女子生徒。
口数が少なく目立つタイプではないが、周囲をよく見ており、誰に対しても優しい。
大人しそうに見えて、自分なりの考えはしっかり持っている。
クラスで孤立しがちな勇真のことも気にかけている。
【浅井由実(アサイ ユミ)】
桃香の親友。
とにかく明るく、冗談を言って周囲を笑わせるクラスのムードメーカー。
桃香と一緒に行動することが多く、人との距離を縮めるのが得意。
【伊藤レオ(イトウ レオ)】
クラスでも特に目立つ男子生徒。
喧嘩っ早く威圧感もあり、勇真からすればできるだけ関わりたくない相手。
一方で卑怯なことや弱い者いじめを嫌うなど、自分なりの筋を強く持っている。仲間からの信頼も厚い。
【佐藤拓哉(サトウ タクヤ)】
レオの親友。
少し軽い性格で、女の子にも積極的。レオと行動を共にすることが多い。
レオが熱くなりすぎた時には止め役に回るなど、周囲を冷静に見る一面もある。
【成瀬健太(ナルセ ケンタ)】
容姿、成績、運動能力、人柄のすべてが高水準の人気者。
男女問わず好かれ、自然と人が集まってくる。
勇真が思い描く「人生の勝ち組」に最も近い存在であり、高校生活をやり直す勇真にとって、一つの目標となる人物。
【高石守(タカイシ マモル)】
成瀬の親友。
成績もよく、人当たりもいいバランス型。成瀬と一緒に行動することが多い。
目立つ成瀬の隣にいることが多いが、本人も十分に社交的で友人が多い。
【本宮健吾(モトミヤ ケンゴ)】
勉強熱心な秀才タイプ。
自分の学力に強い自信を持っており、そのため他人を少し見下してしまうところがある。
騒がしいレオや千尋たちを苦手としている。
【真下徹(マシタ トオル)】
勇真をいじめていたグループの中心人物。
自分より立場が強い相手には愛想よく接する一方、自分より弱いと判断した相手には横柄になる。
高校生活をやり直した勇真が、最初に乗り越えなければならない相手の一人。
【川井純平(カワイ ジュンペイ)】
真下と行動を共にする男子生徒。
自分から中心になって誰かを攻撃するより、真下に便乗するタイプ。
【林剛(ハヤシ ツヨシ)】
真下と行動を共にする男子生徒。
川井と同じく真下について回り、勇真への嫌がらせにも加わっている。
【堀井将士(ホリイ マサシ)】
クラスではあまり目立たない男子生徒。
勉強も運動も平均的だが、人柄はよく、友達になった相手を大切にする。
一度目の高校生活では勇真と深く関わることはなかったが、やり直した青春では二人の関係も変わっていく。
●【舞台設定】
●これからの展開 ※5話までのネタバレあり
現代日本の、とある高校。
物語は、高校三年間を友達も彼女もできないまま終えた矢城勇真(ヤシロ ユウマ)が、卒業式の日に「人生を変える」と決意したことから始まる。
しかし次に勇真が目を覚ますと、時間は三年前――高校の入学式の朝へ戻っていた。
勇真は「今度こそ最高の高校生活を送り、人生の勝ち組になる」と決意し、二度目の青春を始める。
【繰り返される高校生活】
この世界では、勇真が何らかの「間違った選択」をしたからといって、その場ですぐに時間が巻き戻るわけではない。
その日は最後まで続き、勇真が夜に眠ったあと、翌朝になって初めて結果が判明する。
選択を間違えていれば、目覚めた勇真は過去へ戻っている。
しかし、何が正解で何が間違いなのかを教えてくれる存在はいない。
勇真は失敗した一日の記憶を持ったまま、別の選択を試し、自分自身で「正解」を探していくことになる。
【セーブポイント】
勇真が重要な出来事を乗り越え、人生を前へ進めるための何らかの条件を満たすと、本人にも知らされないまま「セーブポイント」が更新される。
その後に間違った選択をした場合、高校入学式まで戻るのではなく、最後に更新された地点まで時間が巻き戻る。
セーブされたことを知らせる表示やメッセージは存在しない。
そのため勇真自身も、何度も高校生活を繰り返す中で少しずつこの仕組みに気づいていく。
【勇真の記憶】
勇真には、一度目の高校生活についての記憶がある。
しかし覚えているのは、クラスメイトの名前や性格、自分との関係などの大まかな情報だけ。
「いつ、何が起きたのか」といった具体的な出来事については、なぜかほとんど思い出すことができない。
そのため未来を知っていることを利用して簡単に成功することはできず、実際に人と関わり、失敗しながら相手を理解していかなければならない。
一方、やり直した高校生活の中で経験した出来事はすべて記憶に残る。
繰り返すほど勇真の経験は蓄積され、少しずつ人との接し方や問題への向き合い方を身につけていく。
【物語の謎】
勇真自身は、自分がなぜ高校入学の日へ戻ったのかを知らない。
そしてもう一つ、本人にも説明できないことがある。
高校を卒業したことは覚えている。
人生を変えると決意したことも覚えている。
それなのに――その直後、自分に何が起きたのかだけが思い出せない。
繰り返される高校生活の中で人生を変えようとする青春物語と同時に、「なぜ勇真はこの世界にいるのか」「卒業式の日に何が起きたのか」という謎も少しずつ明らかになっていく。