あらすじ
ある日、民宿を営む主人公『渡会勝治(40)』は自宅前の県道沿いに出たところで林間学校の為に通りかかった高校生達と共に異世界に召喚されてしまう。そこは勇者召喚に成功したと沸き立つ王族やら騎士やらが待ち受けていた。
「歳の頃、十六を数えた者が別世界より現れん。すなわちそれニホンと呼ばれし地よりやってきた勇者なり」
かつて魔王の脅威から救ったとされる異世界、その伝承を独自に解釈した王国アクイアーリの王が日本から高校生達を強制的に勇者として召喚したのだった。
アクイアーリ王国を侵略しようとする魔王を倒してくれ、同時にそれは日本に戻る為に必要不可欠な事…。そんな説明を受けた生徒達は俺tueeeできる、ケモ耳娘とハーレムチート…などと盛り上がり喜んでいる。一方のおっさんである勝治はそんな彼らとは反対に冷ややかに受け止めていた。当然、勇者なんかになるつもりも無い。
勝治は国王の誘いに乗らず、そして召喚術の常識を指摘する。都合の悪い指摘をされたアクイアーリの王は怒り狂い召喚者を元の世界に送り返す送還の術で勝治を追放しようとする。しかし、どうせ追放するんだからと王国側は異世界から日本に送り返すのに本来必要な魔力や資材をケチり中途半端なエネルギーで王宮より追放する。
追放先は魔境とも呼ばれ忌み嫌われる地…。魔物が跋扈し、話が通じるにしてもアクイアーリ王国から見れば未開の蛮族と蔑まれる異民族が細々と暮らす地であった…。
勇者でもなんでもないおっさんが魔境で生き残るのは不可能だと思われた。しかしおっさんは生き残る、それどころか収入もままならない毎日から人生一発逆転とさえ言えるサクセスストーリーを駆け上がっていった…。異世界でも…、そして日本でも…。
後におっさんはひとり呟く。
「俺には勇者の力も高校生達のような若さもない。だけど人生ってさ、自分の持ってるもので生きてくしかないって事なんだな。そう…、持ってるもので…」