あらすじ
人気女優・神崎玲奈の周囲で、不審な事件が続いていた。
自宅への侵入、盗撮写真、撮影現場へ送られてくる私物、そして彼女と親しい人間への襲撃。
犯人は捕まらない。
監視カメラには何も映らず、厳重に警備されたはずの場所にも、いつの間にか侵入した痕跡だけが残される。
ついにはマネージャーまで危害を受けたことで、所属事務所社長は探偵・榊冬馬へ依頼する。
――神崎玲奈を二十四時間、守ってほしい。
警護を嫌う玲奈と、必要以上に彼女の人生へ踏み込もうとしない冬馬。
そんな二人のすぐ近くには、姿の見えない男が潜んでいた。
犯人の名は相良透。
かつて玲奈と同じ撮影現場で働き、彼女から受けた何気ない親切を「自分だけへ向けられた愛情」だと思い込んだ男。
その歪んだ執着に目を付けた組織によって、相良は周囲へ姿を同化させるカメレオン型の怪人へ改造されていた。
玲奈へ近づく者を排除し、孤立させ、最後には命さえ奪って永遠に自分だけのものにしようとする相良。
やがて彼は冬馬へ問いかける。
「お前も俺と同じだろ。守ると言って、ずっとあの女の側にいる」
しかし冬馬は知っている。
守ることは、相手を閉じ込めることではない。
愛することは、その人生を所有することではない。
見えない視線が迫る中、探偵は二十四時間の護衛任務へ挑む。
これは、誰かを「自分のもの」にしようとする怪物と、誰かが「自分の人生を生きるため」に戦う男の物語。