あらすじ
「君はいつも喜んでくれる」
そう言う婚約者は、私が喜ばない時の話を聞いてくれなかった。
二人きりの誕生日も、親しい人だけの結婚祝いも、私の希望はいつも「遠慮」にされてしまう。
好きだからと笑い続けることをやめ、レオノーラは婚約を解消した。
六週間後、ようやく会う気になった元婚約者から、小さな香水の箱を渡される。けれど、その香りは好みではなくて。
「こちらは、頂けません」
今度こそ正直に断った私に、彼は思いがけない顔をした。
我慢して笑うのをやめた二人が、もう一度、互いの気持ちを聞くまでの物語。