あらすじ
日向、結月、遥陽。
幼い頃からずっと一緒だった、三人の幼馴染。
南雲日向は、中学二年の頃から星野結月に片思いをしている。
そして、同じくらい長い間、疑ったことのない前提があった。
――結月が好きなのは、遥陽だ。
だから告白はしない。
三人の関係を、自分の気持ちで壊すつもりもない。
高校では結月と遥陽が同じ学校へ進み、日向だけが別の学校へ。
三年後、大学では日向と結月が再び同じ学校になる。
すると結月は、日向を探すようになる。
朝の時間を合わせ、一緒に帰りたがる。
以前より近くなった距離に、何度も期待しそうになる。
それでも日向は、そのたびに思う。
幼馴染だから。
昔から仲がいいから。
結月が好きなのは、遥陽だから。
そうやって一つずつ理由をつければ、今まで通りでいられる。
日向は、結月の好きなものを知っている。
苦手なものも知っている。
昔の癖も、何年も大切にしているものも知っている。
それなのに、結月の気持ちについてだけは、本人に聞いたことがない。
もし、ずっと信じてきた前提そのものが間違っていたとしたら。
これまで何気なく見過ごしてきた言葉も、仕草も、思い出も。
どれも、自分に都合のいい意味に見えてしまう。
――もし、それが都合のいい解釈ではなかったとしたら。