あらすじ
「もう出て行って! あんたの顔なんて二度と見たくない!」
床に散らばった本を拾い集める僕に、酷く冷たい視線を向ける幼馴染の公爵令嬢、シャーロット・ヴァルハイト。
勉強もダメ、弓術も乗馬もできず、一般的な護身魔法すら使えない僕――アルト・ライナーは、彼女の父親の指名で教育係を務めていた。
だが、いつも以上に激しい癇癪を起こした彼女から突きつけられたのは、あまりにも決定的な一言だった。
「あんたなんて、追放だって言ってるの!」
困惑するメイドや、申し訳なさそうにする執事長のギルバートさん。
周りの人たちにこれ以上迷惑をかけまいと、僕は静かにその命を受け入れる。
「これでいい。僕よりも優秀な教育係が、すぐにみつかるさ」
執事やメイドに見守られながら部屋を出ていく途中、ふと振り向いたときに見えた彼女の表情は――窓から差し込む光のせいで、よく見えなかった。
ヴァルハイト公爵家を追放されたアルトの、新たな歩みが始まる。