あらすじ
※本作は、田舎を舞台にした連作ホラーの一編です。TALESにも同時公開中です。
関東近郊のキャンプ場を巡り尽くしたソロキャンプYouTuber・翔太。まだ口コミのない穴場を求めてたどり着いたのは、県境の山奥にひっそりとあるキャンプ場だった。焚き火を囲んで聞かされた「人に育てられた熊」の言い伝えを、ただの怖い話のネタとして笑い飛ばした翌朝――キャンプ場のゲートは、固く閉ざされていた。
イントロダクション
熊被害のニュースが相次ぐ中、対策グッズを揃えてソロキャンプに出かけた翔太。地元の老人から聞かされた、マタギと人に懐いた熊をめぐる不穏な言い伝えを、動画のネタとして軽く受け流していた。だが翌朝、キャンプ場から出られなくなっていることに気づく。倒木で塞がれた迂回路、使い込んだ鉈を腰に差した"マタギ"のような男、そして森の奥に隠された、おぞましい光景――。逃げ場を失った翔太を待っていたのは、代々続く村の"掟"だった。
主要登場人物
翔太(本作の主人公)
ソロキャンプ系YouTuber。関東近郊を巡り尽くし、新規開拓先を求めて県境の山奥のキャンプ場へ。何事も動画のネタとして消費する軽さが、命取りになる。
焚き火の老人
初日の夜、翔太に言い伝えを語る地元の男。飄々とした語り口の中に、本物の忠告を紛れ込ませている。
毛皮の男
倒木で立ち往生した翔太の前に現れる、マタギのような出で立ちの人物。救ってくれたのか、村に引き渡しただけなのか、最後まで判然としない。
村人たち
表向きは親切で朗らか。だが、その親切さの裏には、代々受け継がれてきた"役目"がある。
あらすじ
※このあらすじには物語の重要な展開に触れる記述が含まれます。未読の方はご注意ください。
閉ざされたゲート、倒木で塞がれた迂回路。逃げ場を失った翔太は、鉈を腰に差した男に導かれるまま、森の奥にある祭壇と、無数の"土まんじゅう"を目にしてしまう。命からがら逃げ出すも谷へ転落し、気づけば村の小屋に監禁されていた。親切に手当てをしてくれる村人たち、朗らかな祭り囃子――だが、その裏で交わされる「今日は若い男」「餌場」という言葉が、翔太の運命を静かに決めていた。