あらすじ
名門騎士エーベルハルト家に生まれた双子のリアンとノアは、共に十歳を迎えようとしていた。
真面目で努力家の兄リアンと、不思議な力を持つ天真爛漫な弟ノア。
二人はいつも一緒だった。
騎士見習いとして学びを重ねる日々の中、寄宿舎の書庫で見つけた『祈り』の言葉をきっかけに、その日常は少しずつ揺らぎ始める。
なぜ、ノアの力は隠さなければならないのか。
なぜ、人々はその力を恐れるのか。
そして、なぜ弟ノアだけがどこかへ連れていかれようとしているのか。
答えを探すリアンと、世界の声に導かれ始めるノア。
いつも一緒だった二人は、やがてそれぞれ道へと歩き出す。
古代の神々が創った『天秤の世界バランシア』。
そこでは、理《ことわり》と祈り《いのり》の二つの均衡によって成り立っている。
これは、失いかけた日常の尊さを知り、やがて世界の真実へと歩み出す――始まりの物語。