あらすじ
とある辺境の村で、三人の若者が旅立った。
魔法使いのザック——三回に一回しか魔法が発動しないポンコツだが、なぜか誰からも愛される人柄の持ち主。
剣士のジャック——モンスターを前にすると足がすくんで攻撃できない臆病者。しかしなぜか人間相手なら剣を振るえるという謎の性質を持ち、盗賊との交渉事では驚くほど役に立つ元貴族。
そして主人公のミラン——魔法の才能も剣の才能もないが、なぜかこの二人をまとめ上げるだけの謎の先導者。
彼らは正義感に燃えて旅に出たわけではない。ただ、村を追い出されるようになんとなく、成り行きで。
最初はひょんなことから盗賊団のアジトを壊滅させ(偶然)、次は暴れ魔獣の穴に落ちるのを手伝い(偶然)、気づけば貴族のいざこざを丸く収め(偶然とコミュ力)、王都から「勇者認定」の勅書が届いてしまう。
「俺たち、何もしてないよね?」
「うん。でも断ったら不敬罪になるんじゃないかな」
「……とりあえず、受けておくか」
魔王討伐の命が下っても、彼らのスタイルは変わらない。
敵の魔法使いを「3回待つ」で翻弄し、魔王軍の幹部と交渉で寝返らせ、最後はやっぱり運とタイミングだけで魔王を倒してしまう。
才能や努力よりも、運と人柄とタイミングで人生はどうにかなる!
本人たちは最後まで一切自覚しないまま、史上最もグダグダな伝説を作ってしまう、勘違いファンタジー英雄譚、開幕!