あらすじ

石垣は、三度崩れた。 普請奉行は言う。「人柱を立てよ」と。志願したのは六十八の老人。米二石と引き換えに、その命は石垣の下に埋められる。 石工見習いの与助は気づいてしまう。崩れた原因は祟りではなく、石の裏に溜まった水だと。そして、お上の人間ほど、それを知っていて口にしないことにも。 「水です」 その一言で、与助は二十日の期限と、自分の命を賭けることになる。 祟りを恐れて逃げ散る人夫たち。理由を知りながら黙る親方。助けたはずの老人の孫娘は、なぜか与助を睨んでいる。 理由が分からないと、人は誰かを殺して、それを理由にする。だから与助は、理由のほうを積むことにした。 人柱のいらない石垣を築く、石屋たちの話。

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小説を読もう2026/10/01
  • 現在の作品石。―人柱のいらない石垣について―