あらすじ
荷運びの少年オルは、影を物に貸すだけの外れスキル持ち。動かせる力は自分の身体と同じで、影を貸した手足は動かなくなる。
仕事を失った日、廃材置き場で拾った片腕の鎧が、崩れ落ちる鉄扉を支えた。その下にいたのは、足元に影のない少女剣士リゼ。
「あなたが止めて。私が斬る」
剣を振れない少年と、剣を握る理由を失った少女。二人は壊れた鎧と灯火を携え、港町の夜へ踏み出す。
だが街を守る白い灯台が光るたび、人々の影は同じ方向へ引かれていた。やがて空から降りてくるのは、翼に街の影を縫い込まれた竜。
捨てられた武具を自分の手足にして戦う少年と、影のない剣姫の、光と闇をめぐる冒険ファンタジー。