あらすじ
〽お前は誰ぞ 誰ぞや
人の子なりと 答えけり
されど本当は 誰ぞや
獣なりとて 月が嗤う
人か獣か 誰ぞや
人ならざる者を、人はBAKE-MONOと呼んで蔑んだ。
居場所を追われた獣の末裔は、いまやこの世にただ一匹。
誰の助けも借りず、気高く生き延びてきた。
一方、左顔に黒い痣があり村では化け物と陰口を言われている鈴(すず)。左足にも生まれつき障害を抱え歩くことに難のある鈴は結婚どころか、誰からも必要とされずに生きてきた。
三日月の夜、鈴は獣と出会う。
「綺麗……」
三日月に照らされた白い毛並みは、真珠のようだった。
群れない。靡かない。近寄らない。
そうやって生きてきた獣の末裔、智(トモ)。
人から化け物と陰口をされる女と、獣か半獣か、わからぬ化け物。
二人が出会ったとき、その孤独はどこへ向かうのか。
BAKE-MONOとは誰を指すのか。
獣と一人の女性の物語。