あらすじ
アウレリア帝国に一つのサロンが生まれた。
主宰者は、十六歳の公爵令嬢エレーナ・アルヴェロワ。
木曜日の午後三時。身分にかかわらず、発言は一人三分。誰も、話している者の言葉を遮らない。
それは、エレーナが好きな人に会いたくて始めたサロンだった。
この会は木曜会と呼ばれ、次第に、他の人たちにとっても大切な場所になっていく。
やがて木曜会は、アルビオンの寄宿学校で断罪され、家名まで失った令嬢エミリーを招くことになる。
生徒会に爵位を動かす力はない。それでも、一度書類に残った断罪は、欲しい者に拾われ、彼女の人生を変えてしまった。
断罪は覆せない。
けれど、話せる席なら用意できる。
公爵令嬢、書生、軍人、商家の娘、そして異国から来た令嬢。
九人の小さな卓で交わされる三分の言葉は、やがて飢饉と革命、戦争の時代へつながっていく。
帝国が倒れ、共和国が生まれても、木曜日の三時は訪れる。
家庭教師による教育と、サロンを中心とする社交。
フランス・ロシア風の大陸型貴族社会を舞台にした、恋と革命と会話の群像劇。
毎日19時40分更新。完成済みです。