あらすじ
角のないリリアは、竜の国では価値のない娘だった。
竜の商売家に拾われ、婚姻用に育てられたものの、角も魔力も持たない彼女は、やがて家から追い出される。
そんなリリアへ手を差し伸べたのは、変わり者の竜医シェルヴァだった。
「二人で暮らしましょう」
薬を飲ませ、外出を制限し、香りを隠す。
優しさにも似た過保護の理由を、リリアは知らなかった。
彼女は、竜たちが長く待ち望んだ“贄姫”。
その魅了は、高貴な竜ほど魂を開かせる。
そして三国の竜たちは、竜の病を癒すため、リリアを求め始める。
契約魔法が腐る黄金竜国。
雨と神託が狂う青龍国。
兵士たちが狂竜化する黒竜国。
黄金竜の王子は、彼女に価値を与える。
青龍の皇子は、彼女に意味を与える。
黒竜の王子は、彼女に役割を与える。
けれどリリアが本当に欲しかったのは、価値でも、意味でも、役割でもなかった。
自分を呼ぶ、あの暖かな声。
そして、贄ではなくリリア自身を呼んでくれる誰かの声だった。
これは、捧げられるために選ばれた少女が、捧げられない未来を選ぶ物語。
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※できるだけ安定して更新していく予定です。
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