あらすじ

とある刑務所の刑務官休憩室。 一人の若い刑務官が机に肘をつき、退屈そうにスマートフォンを眺めていた。大きなあくびを一つ漏らし、手のひらで頬をこね回す。丸まった背中が徐々に沈んでいき、ついには顎が机についた。 そのときだった。先輩刑務官が室内に入ってきた。後輩は「あっ」と小さく声を上げ、慌てて椅子から腰を浮かせた。 「お疲れ様です」 「……おう」と、先輩は短く返し、小さく頷いた。 「ゲームか?」 先輩は壁際へ歩きながら訊ねた。 「いや、まあ、そうっす」 後輩は椅子に座り直し、スマートフォンの画面に視線を戻した。 「そうか……ふーん」 先輩は壁の染みをぼんやり眺めながら呟き、そのまましばらく室内をうろうろと歩き回った。貼られているポスターを眺め、机の角を指先で撫で、時折ちらりと後輩に視線を向けた。そうして部屋を二周ほどしたあと、ぴたりと足を止めた。 「来週……決まったから」 先輩は壁を向いたまま、ややうつむき加減でそう言った。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/10/01
  • 現在の作品記念日 :約2500文字 :コメディー