あらすじ
この世界には、八百万の神が本当にいる。
ただし、そのほとんどは驚くほどしょうもない。
USBを最初だけ逆向きに挿させる神。
冷蔵庫を開けた瞬間、何を取りに来たか忘れさせる神。
メールを送信した直後に誤字へ気づかせる神。
会話が終わってから面白い返事を思いつかせる神。
そんな神々と人間とのトラブルを処理するのが、神務庁・生活神対応課。
そこで働く神崎直人は、神様に対して特別な敬意も期待もない、ごく普通の公務員だ。
「神様なら、もう少しありがたいことしてくださいよ」
新人職員の御厨小春と、なぜか部署に居ついているしょうもない神・間違神とともに、直人は今日も神様への苦情処理に追われていく。
靴下を片方だけ消す神。
急いでいるときだけコピー機を紙詰まりさせる神。
昔の写真を捨てる直前に見返したくさせる神。
その仕事は、くだらなくて、面倒で、ときどき少しだけ優しい。
しかしやがて、街で奇妙な異変が起こり始める。
仕事を辞めた人。
告白した人。
結婚を決めた人。
人生の大きな選択をした人々が、なぜかその翌日、一斉に猛烈な後悔に襲われ始めたのだ。
原因は、かつて「昨日選ばなかった昼飯を少し後悔させるだけ」だった、一柱の小さな神。
しょうもない神様が、人間のしょうもなくない人生にまで手を伸ばしたとき。
ずっと大きな決断を避けてきた直人自身もまた、一つの選択を迫られる。
神様は、人生を決めない。
ただ、少しだけ邪魔をする。
笑えて、ときどきちょっと切ない。
八百万の神々と役所職員たちによる、現代お仕事ファンタジーコメディ。