あらすじ
この国では、毎月ひとつだけ新しい法律が追加される。
「水曜日にカレーの悪口を言ってはいけない」
「エレベーターで最後に降りた人が翌日の市長になる」
「嘘をつくときは片手を挙げなければならない」
「すべての決闘はしりとりで行う」
どれも意味不明で、どうでもいい法律ばかり。
けれど国民は慣れていた。
「今月はこれか」
そう笑って受け入れ、少し不便な一か月を過ごせば、それで終わる。
――はずだった。
ある日、主人公は気づく。
今月できたばかりの法律について、昔の新聞にも記録がある。
存在しなかったはずの祭り。
変わったはずのない教科書。
覚えている友人と、誰も覚えていない出来事。
新しい法律が施行されるたび、世界はその法律が昔から存在していたかのように、少しずつ過去を書き換えている。
しかも、その変化に気づいているのは自分だけ。
最初はカレーやエレベーター程度だった。
だが、法律は少しずつ笑えないものへ変わっていく。
町の歴史。
家族の記憶。
友人の人生。
そしてついには――
「存在してはいけない人間」を定める法律が公布される。
なぜ、この国では毎月一つだけ法律が増えるのか。
誰が法律を作っているのか。
そして、なぜ主人公だけが書き換わる前の世界を覚えているのか。
しょうもない法律の裏に隠された秘密を追う、
日常コメディ×歴史改変ミステリー。