あらすじ

世の中には、ごくまれに「呪われている人」がいる。 ただし、その呪いは――だいたい、しょうもない。 靴の中に小石が入る。 写真を撮ると必ず半目になる。 自分が並んだレジだけ遅くなる。 好きな人の前でだけ、大事な言葉を噛む。 そんな「本人は困っているけれど、他人から見ればどうでもいい呪い」を専門に扱うのが、久世直人の営む小さな“呪い屋”だった。 新人の白石千尋は、次々と持ち込まれる奇妙な相談に呆れながらも、直人とともに呪いの条件を調べ、依頼人たちの悩みに向き合っていく。 呪いは消せない。 取り除けば、知らない誰かへ移る。 そして転呪されるたび、ほんの少しだけ強くなる。 捨てるのか。 工夫して付き合うのか。 それとも、そのまま抱えて生きるのか。 答えはいつも、呪われた本人が決める。 ところが、しょうもない依頼を追ううちに、直人たちは何十年、何百年と人から人へ渡り続けてきた「古い呪い」の存在に気づき始める。 それでも今日も、呪い屋の扉は開く。 「相談があるんです」 「どうぞ」 「靴下が……片方だけなくなるんです」 世界を滅ぼすほどではない。 けれど本人にとっては、死ぬほどしょうもなくて、死ぬほど困る。 これは、そんな呪いと一緒に生きる人たちの物語。

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カクヨム
カクヨム2026/10/01
  • 現在の作品死ぬほどしょうもない呪い