あらすじ
芹澤綾也は、幼馴染に誘われ、仮想空間オンラインゲーム《アルカディア》を始める。
付き合い程度のつもりだった。
だが、現実と見紛うほどの世界、五感さえ欺く没入感、そして現実とは違う自分として生きられる自由に、綾也は次第に惹かれていく。
そんな《アルカディア》には、ひとつの暗い噂があった。
プレイヤーを殺すPK――この世界で「虚魔(うつろま)」と呼ばれる者たち。
その中でも最も恐れられているのが、〈D〉と呼ばれる正体不明の存在だった。
やがて現実世界で、猟奇的な殺人事件が発生する。
遺体に残されていたのは、《アルカディア》で〈D〉が獲物を狩る際に用いる、特徴的な痕跡。
ゲームの中の殺人が、現実で再現されている。
偶然なのか。
模倣犯なのか。
それとも――《アルカディア》の向こう側から、何かが現実へ侵入しているのか。
仮想と現実。
二つの世界の境界が崩れ始めたとき、綾也は〈D〉を巡る事件の深部へと巻き込まれていく。