あらすじ
第二話のタイトルにある『影火(かげび)』とは、十五歳の等身大の少年ハンニバルと、過酷な宿命を背負うハンニバルの二面性を表した言葉です。
外から見える激しく燃える炎ではなく、表面からは見えない芯で、静かな影の炎が燃えているということを表現した私の造語です。
「生涯、ローマの友とはなるな。ローマを憎め」
九歳のあの日、バアル神殿の祭壇で父ハミルカルと交わした “血の誓い” 。
幼馴染アリサへの淡い恋心すら封じ、少年は修羅の道へと歩み出す。
人生の目標はただ一つ──海の向こうに君臨する強大な敵ローマを打ち倒すこと。
やがて歴史に名を遺す天才戦術家となるハンニバルが、ローマの剣マルケッルス、そして若き鷲スキピオとの決戦へと突き進んでいく。
史実に忠実な戦記、不器用な男女の愛、そして葛藤。
愛と別れ、戦いと喪失が交錯する歴史大河ロマン、ここに開幕──。