あらすじ
火、風、光、土、闇、そして水。
六つの属性魔術が人々の暮らしを支えるレヴィニア帝国で、水属性は二十五年連続人気最下位だった。
派手な炎も出せない。 空も飛べない。 光りもしない。
できることといえば、水を出したり、動かしたりするくらい。
そんな水属性魔術師の一人、フィン・スルガルは二十歳にして五級――世間から「一流」と呼ばれる魔術師である。
共同井戸の詰まりを直し、水路を調べ、下水道へ潜り、ときには火災現場へ駆り出される。
目立たなくていい。 格好よくなくてもいい。 ちゃんと水が出て、町が普通に動けばそれでいい。
そう思っていた。
ところが、水属性魔術師協会・帝都本部に新設された広報担当、十六歳のエリス・フォードが現れたことで状況は変わる。
「水属性の人気を上げます!」
水属性は地味なんじゃない。
知られていないだけだ、と。
人気なんてどうでもいいフィンと、何としてでも水属性を最下位から脱出させたいエリス。
今日も帝都では、井戸が詰まり、水路に異常が起き、火事が発生し、魔物が現れる。
そしてなぜか、そのたびに仕事が回ってくる。
人気はない。
でも、仕事はなくならない。
これは、帝都の片隅で人々の当たり前を支える、水属性魔術師たちのお仕事コメディ。