あらすじ
単独で魔王を討ち取った、伝説の最強勇者・梶 幾地(かじ いくじ)。
その彼に下された次なる任務は――最弱の少女を、一人前の勇者に育てることだった。
与えられたのは攻撃スキルではなく、影から支える【支援系スキル】のみ。
異世界のルールで、直接戦闘は一切禁止。できるのは、後ろから言葉をかけることだけ。
しかも担当の勇者は、いじめのトラウマで心の折れた、史上最弱の引きこもり。
この子を救い、育て上げろ。それが、地球へ帰るための、たった一つの条件だった。
だが――勇者は、あっけなく死んだ。
理不尽に、何の意味もなく。
「……は? おい、冗談だろ」
積み上げてきた、全部が。
塵みたいに、消えていく。
「――そうかよ。全部、パーかよ」
何度でも、少女は死に、何度でも、振り出しに戻る。
それが、終わらない地獄の正体だった。
何度やり直しても、勇者は死ぬ。守れない。手が、届かない。
口は悪いが、根は誰より面倒見のいい元最強が、最弱の少女と挑む、地獄の再教育。
そして梶には、女神に伏せられた【最後のスキル】が、一つだけ残されている。
それは、勇者と確かな"絆"を結んだとき、初めて解放される――
「手を掴め。オレを信じろ」
折れかけた少女の手を取り、その身体に憑依したとき。
最弱だった勇者は、理不尽な運命ごと、何もかもを殴り倒す。
※毎日朝7時投稿します。