あらすじ
五歳のとき、事故で両親と三歳の妹・紗季を亡くした高木修平。以来、片方の目にだけ幽霊が見えるようになった彼は、目を閉じることでその存在を遠ざけて生きてきた。
だが三十五歳になった今、道に迷った老人、葬式代を気にする老婆、スーパーの値段に文句を言う女――心残りを抱えた幽霊たちが、次々と修平のもとへやってくる。
彼らの話を聞き、残された人へ言葉を届ける修平。しかし、どれほど多くの幽霊を見つけても、ずっと探している妹の姿だけは見つからない。
幽霊たちの心残りに耳を傾けながら、自分の心残りには目を閉じ続ける男の、少し笑えて、最後に心がほどける物語。