あらすじ
歯科助手歴五年。水瀬莉子は、患者の口の中なら平気で覗けるのに、恋愛になると途端に自信がなくなる。
みなみデンタルクリニックには、治療中の患者との私的交際を禁じる内規がある。だから「次の予約は二週間後」「あと一回で治療終了」という言葉が、恋のカウントダウンになってしまう。
歯医者嫌いの不器用なエンジニア。痛みに弱いくせに口のうまい営業マン。安心をくれるけれど、家庭を求めているだけかもしれないバツイチ会社員。そして、最後の治療の日まで一度も莉子を口説かない、照明プランナーの朝倉直人。
必要とされることと、愛されることは違う。何人かの本気の恋を経験した先で、莉子は初めて「自分が何もしなくても一緒にいてくれる人」を選ぶ。