あらすじ
三年間の結婚生活で、一度も「愛されている」と感じたことがなかった。
財閥令嬢の一条沙羅は、幼い頃から想い続けてきた篠宮司と政略結婚をした。好きな人の妻になれたことが嬉しくて、いつか心も通じ合えると信じていた。けれど司は仕事ばかりで、誕生日も結婚記念日もほとんど一人。優しい言葉も、抱きしめられることもないまま、三年の月日だけが過ぎていった。
しかも司には、昔から愛人と噂される美しい女性がいる。
もう期待することに疲れた沙羅は、ついに離婚を切り出す。
「離婚してください」
「……わかった」
引き止めることさえなかった夫の一言で、二人の結婚は終わった。
自由になった沙羅は実家へ戻り、新しい仕事や友人、華やかな世界へ踏み出していく。人気俳優や若き実業家から好意を寄せられ、少しずつ自分らしい笑顔を取り戻していく沙羅。
ところが、そんな彼女の前に司が再び現れる。
結婚していた頃には見せなかった嫉妬。
他の男といる沙羅を追う視線。
そして、「まだ好きだ」とでも言うような不器用な態度。
なぜ今さら――。
愛されなかったと思っていた妻と、愛していることを伝えられなかった夫。
別れて初めて知る、本当の気持ち。
けれど三年間に積み重なった傷と誤解は、簡単には消えてくれない。
これは、一度終わった夫婦がもう一度出会い直し、本当の恋を始めるまでの物語。