あらすじ
年に一度の大きな祭り『豊穣祭』まで、あと三週間。
公爵令嬢ミュリエル・アーデンは、屋敷を抜け出して街へ遊びに行くのが大好き。
ちょくちょく屋敷を抜け出しては、街では普通の町娘『ミユ』として過ごし、日々の公爵令嬢としてのしがらみから解放されていた。
そんなある日、いつものように大好きなクロワッサンを買いに訪れたパン屋で、一人の青年『ウィル』と出会う。
口は悪いし、余計なことは言うし、会えばすぐに言い合いになる。
第一印象は――
「なんて面倒な奴!」
けれど、一緒に働いてみれば意外と息が合う。
子どもには優しいし、困っている人を放っておけない。
会うたびに言い合っているはずなのに、いつの間にか一緒にいる時間が増えていって――。
ただし、ミユはまだ知らない。
『ウィル』の本当の名が、ウィリアム・クレメント。
この国の第一王子だということを。
そしてウィルも知らない。
町娘だと思っている『ミユ』が、公爵令嬢ミュリエル・アーデンだということを。
身分を隠した二人の、喧嘩ばかりの恋が始まる。