あらすじ
父親の転勤で妹と外国へと引っ越してきた楠本柚は、金銭的な事情からヒーローリセへと入学する。
職業訓練校とは名ばかりのそこは、追加授業と呼ばれる人体実験を行うことにより素材の学生たちをヒーローと呼び、実験への謝礼金を支払うことで口止めとしている。
リセのヒーローとして通い始めた子供たちの数に比べて、職業ヒーローとして生き残り、活躍しているのはほんのひと握り。
その実態を知っていて、それでもお金に困った新入生が今年はユズを含めた四人。
ユズ、ルイ、リュドヴィック、クロードは寮で生活を共にすることから始まった関係だった。
授業や寮の中で関わり合い、これまで人間として扱われることのなかった彼らはお互いの傷にそっとガーゼを貼って家族となっていく。
外出先でクロードの父親と相対し、リュドヴィックは家族と背を向け合い、ルイは親戚に見切りを付ける。
関わりを持っていたリセの先輩が実際に命を落としても、世の中は止まらない。
特殊な能力が開花すると言われ、注射を打たれた四人はそれぞれに異なる能力を手に入れる。
それでも、世界は何も変わらない。
ユズは、帰宅した実家で父親から虐待の末に両足を失う。
義足の希望に再び立ち上がろうとしていた矢先、ユズの死という虚偽が3人に告げられルイ、リュドヴィック、クロードは大人の注意も耳に届かず走り出す。
教師による監禁で未来が潰えたように思えていたユズに、リセの卒業生である現役ヒーローから命令が下された。
彼の手によってリセは解体され、新たに警察署内に部署が設立される。
その新部署で働くために立ち上がる事を決意したユズは、直接戦うヒーローではなく司令課としての道を歩き始める。
過去は何一つ置き去りにはならず、未来は一秒だって待ってはくれない。
それでもユズは生きて、自分の立っている場所に幸せを見つける。
人生の問題は何も解決しない。
それでも、生きることをやめない。
そんな、ありふれた話。