あらすじ
君の好きな人を、僕は知らない。
高校二年生の桐生悠真には、恋愛経験がない。
彼女はいない。
好きな人もいない。
ただ、人の恋愛相談に乗ることだけは、なぜか得意だった。
そんなある日、学校一の美少女・白石美琴から突然呼び出される。
「私、好きな人がいるの」
そこまではよかった。
問題は、その続きだった。
「でも……誰が好きなのか、自分でも分からないの」
そんな美琴から頼まれたのは――自分の「好きな人」を一緒に探してほしいという、とんでもないお願いだった。
なぜ自分なのか。
なぜ美琴は、俺にだけこんな相談をするのか。
疑問を抱きながらも、悠真は彼女の恋愛相談に付き合うことになる。
放課後に二人で話したり。
休日に出かけたり。
恋愛について語り合ったり。
最初はただの「相談相手」だったはずなのに。
少しずつ、二人の距離は近づいていく。
しかし、悠真の隣には幼馴染の桜井七海がいる。
いつも一緒にいる、誰よりも気心の知れた女の子。
そして、何かと悠真をからかってくる三年生の月島莉央。
さらに、自分の気持ちを小説にしか書けない少女・黒崎詩織。
それぞれの想いが交差する中で、悠真は少しずつ気づいていく。
――恋は、誰かを好きになることだけじゃない。
誰かに好かれること。
誰かを選ぶこと。
そして、誰かを傷つけること。
そんな当たり前のことすら、俺は何も知らなかった。
そしてある日。
美琴が探していた「好きな人」について、悠真のもとに一通の手紙が届く。
そこに書かれていたのは――
『白石さんが好きなのは、あなたですよ』
これは、恋を知らない少年と、自分の恋が分からない少女が始める、
少し遠回りな青春ラブストーリー。