あらすじ
才能も、特別な魔力もない。それでも、英雄になりたかった。
孤児院で育った少年・一ノ瀬紫苑は、「英雄になる」という夢を胸に剣を振り続けていた。術師としての適性はなく、森で出会った魔獣には手も足も出ない。命を救ってくれた王国の騎士シトリンの背中に憧れ、弟子入りした紫苑は、泥臭い修行を重ねていく。
そして十四歳。
地方都市リュシエールの冒険者ギルドに正式登録した紫苑は、幼馴染の少女・黒紅茶と初めての任務へ向かう。
ただの薬草採取。そのはずだった。
洞窟で待っていたのは、新人冒険者が敵うはずもない変異種・グレイヴオーク。愛用の剣をへし折られ、紅茶の魔術に救われた紫苑は、夢と現実の隔たりを思い知らされる。
それでも、諦められなかった。誰かに救われるばかりの自分も、いつか誰かを守る側に立ちたいから。
紅茶から贈られた紅い剣と、古書店の少女・リリィから託された白紙の本。まだ何も成し遂げていない少年の手に、英雄譚を書き始めるためのものが揃っていく。
けれど、彼を見守る紅茶には、紫苑の知らない願いがあった。彼が夢へ近づくことを、彼女は素直に喜べない。
少年が追い求める英雄とは何か。少女が本当に守りたいものとは何か。
無力な少年の歩みと、幼馴染の秘めた想いが交差する、王道ファンタジー。その白紙の本に、最初の一篇が刻まれるまでの物語。そしてこれは紫苑が英雄へと至る”為”の物語である。
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キャラ設定の相談を行いました。
まるで、ひどく、等の多く使われる文字の発見等にも使いました。