あらすじ

この江戸に 初めて湯屋が誕生しやしたのは  まだ徳川の時代の ほんの少し前 秀吉の時代の終焉間際と言いますから、 天正は十九年の そのような年のことでござります。 が それとはとんと 関係もなく でえくの佐吉という歳の頃は三十もちっと過ぎた。 いっぱし近くのでえくが 吉原で あろう事か 出会いがしらに道行く人を 何をどう、人道筋を とん、ととんと  勘違いしちまったものか 懐に 己の商売道具の柄の細っこい突きノミで 誰かまわずに ざっくざっく、ザックザクと刺し走り あげくの果てにヒイ フウ ミイと 四人も殺め、他にも 数人刺し傷切り傷痛いのなんのと、 傷を負わせてしまったのでござりまする 。 俗に 吉原通り魔事件として、のちのちも 語り継がれる事もなく 忘れ去られていったのでござります。

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カクヨム
カクヨム2026/09/30
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