あらすじ
二度、歴史を変えた男が、今度は豊臣秀頼になった。
最初の人生では、MBAを持つ会社員・黒瀬直人。
二度目の人生では蜀漢皇帝・劉禅となり、「英雄一人に依存しない国家」を作った。
三度目の人生では明智光秀として二十年を生き、織田信長とともに組織を改革し、本能寺の変そのものを起こさせなかった。
ようやく仕事は終わった。
――はずだった。
死後、現れた豊臣秀吉から告げられた次の案件は、
「五歳の倅、秀頼を救ってくだされ」
当然、黒瀬は断る。
もう国家再生などしたくない。
幼児から人生をやり直すのも御免だ。
ところが最後に現れたのは、かつて二十年間仕え、ともに歴史を変えた織田信長だった。
「天下を取らせる必要はない」
「勝たせる必要もない」
「――残せ」
その一言によって、黒瀬は四度目の人生へ送り込まれる。
目を覚ませば、豊臣秀頼、五歳。
天下人・秀吉の死まで、残りわずか。
関ヶ原まで二年。
豊臣家滅亡まで十七年。
しかも豊臣家を診断すると、
創業者依存度 98
後継者自立度 3
家臣団分裂リスク 91
徳川代替可能性 94
――ほぼ倒産寸前だった。
石田三成と加藤清正をどう共存させるのか。
徳川家康とは戦うべきなのか。
真田幸村を「英雄」にしないためには何が必要なのか。
淀殿をどう説得するのか。
そして、秀吉という巨大すぎる創業者の影から、豊臣家をどう独立させるのか。
目標は天下統一ではない。
徳川を倒すことでもない。
「大坂の陣を、起こさせない」
MBA、組織論、人材マネジメント、財務、データ分析、医療、公衆衛生。
三つの人生で得たすべてを使い、史上最も危険な「二代目事業承継」に挑む。
英雄が国を作る。
制度が国を残す。
これは、勝つためではなく――生き残るために歴史を変える物語。