あらすじ

この町では、満月の夜だけ、死者が生前に暮らした家へ帰ってくる。 二十歳の美緒は、亡くなった母・佳代をほとんど毎月呼び、同じ食卓を囲んでいた。 味噌汁の濃さを叱られ、仕事の話をし、次の満月を待つ。それは悲しい儀式ではなく、美緒にとって楽しみな夜だった。 ところがある満月、佳代は言う。 「次の満月は、私を呼ばないで」 呼ばれれば帰りたい母と、会えるなら会いたい娘。 生きる側には次の満月までの日々がある。けれど死者には、帰還と帰還のあいだの時間がない。 会わないことは別れなのか。 会い続けることは、愛なのか。 月に一度だけ死者が帰る町で、母と娘が「一緒にいない時間」を選び直す、全5話の物語。

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小説を読もう2026/09/30
  • 現在の作品死者が帰る町で、母が「次の満月は、私を呼ばないで」と言った