あらすじ
十八歳の誕生日を迎えた高校三年生・ユウ。擬似自殺制度が導入された世界では、十八歳の誕生日を迎えると、一人ひとりに専用の銃と三発の弾丸が支給される。周囲の友人たちは当たり前のようにその制度を利用し、自殺と復活を軽やかに繰り返している。しかし、ユウの日常は、終わりの見えない受験勉強と、常に張り詰めた家庭内の緊張に縛られていた。いつも「あの人」への恐れを抱え、家の中にも自分の居場所を見つけられないユウは、十八歳の誕生日の夜、公園で謎めいた義足の男と出会う。どこか自分と似たものを感じ、親近感を抱きながらも警戒するユウに、男は突然「誕生日プレゼントをやる」と告げる。ユウはその言葉の意味も分からないまま、男から逃げるようにその場を立ち去る。翌朝、ポストに届いた自分専用の銃を受け取り、学校へ向かったユウは、友人たちから誕生日を祝われる。サボりの常習犯であるイツキ、大食いのカズマ、何かと情報に詳しいタカ。性格も行動もばらばらな個性豊かな友人たちとの賑やかな日常は、息苦しい家庭から離れたユウにとって、数少ない安らぎの時間だった。しかし、家に帰ったユウを待っていたのは、「あの人」、父からの呼び出しだった。死を自ら選択することが当たり前となった世界で、生きづらさを抱えながら日々を過ごしてきた少年・ユウ。十八歳という節目に専用の銃を手にした彼の前に、果たしてどのような運命が待ち受けているのだろうか。