あらすじ
魔力ゼロ。剣の才能もない。
辺境の村で暮らす少年レインにあるのは、世界に存在する「意味」が見えるという、役に立つのかも分からない力だけだった。
そんな彼が森で見たのは、人間を襲うはずのゴブリンが抱える《幼子》《飢餓》という意味。
そして、オークも、オーガも、ドラゴンさえもが共有する――《逃げろ》。
森で何かが起きている。
その日、人類最強の勇者が死んだ。
そしてレインのもとへ、たった一つの「意味」が届く。
《助けて》
声の主は、人類最大の敵――魔王だった。
世界中が彼女を《敵》と呼ぶ。
けれど、レインにだけ見えたのは、誰にも届かなかった彼女のSOS。
「……この子は、ただの人間だ」
魔力ゼロの少年がついた一つの嘘から、世界の「意味」は少しずつ変わり始める。
これは、敵を倒す力を持たない少年と、世界から敵と呼ばれた少女が、「勇者と魔王」の本当の意味を探す物語。