あらすじ
C級冒険者パーティー『焔の剣』で荷物持ちをしている青年、アルト。
戦闘の才能はなく、頭もあまり良くない。できることといえば、仲間三人分の荷物を背負って一日中歩き続けることくらい。それでもアルトは、自分なりに仲間の役に立てていると満足していた。
そんなある日、ダンジョンの未探索区域で、パーティーは格上の魔物ミノタウロスと遭遇する。
到底勝てない相手を前に、アルトは仲間を逃がすための囮にされ、ダンジョンの奥深くへと落下してしまう。
そこで出会ったのは、旧文明の遺跡に残されていた機械精霊――ちゃっぴー。
ちゃっぴーは古代の武術や身体の鍛え方など膨大な知識を持っている。しかし、現代の魔法も魔物も王国も知らない。知らないことを聞かれても、返ってくる答えはいつも同じ。
『情報がありません』
それでもアルトは気にしない。
「じゃあ、分かることを教えてくれ!!」
理解は遅い。才能が突然目覚めることもない。
けれど、百回やれと言われれば、本当に百回やる。
失敗すれば、もう一回。
できなければ、できるまで。
これは、正しい努力の仕方を知らなかった愚直な荷物持ちと、何でも知っているようで知らないことも多い機械精霊が、互いに足りないものを補いながら世界を冒険していく物語。