あらすじ
家庭教師を七人辞めさせた、十歳の公爵令息。
八人目の私が宿題を出した相手は――そのお父様だった。
前世は小学校教師。チートなしで転生した私が受け持つのは、将来、冷酷な悪役になる少年リュカ。
天使のような顔で課題を破り、こちらを試すように尋ねてくる。
「父上には、報告する?」
けれど、この子が欲しいのは、お説教ではないらしい。
そこで、軍務で忙しい公爵閣下にも一つ課題を。
『息子さんの好きなものを三つ、ご本人に聞いてください』
翌朝、執事が届けてきたのは、二十ページの完璧な調査報告書だった。
「お父様ご本人の宿題です。再提出をお願いします」
剣なら達人。軍務なら大活躍。
なのに、息子との十分間の会話が、どうしてこんなに難しい?
澄ました顔で父を待つ少年と、宿題に手こずる公爵と、赤ペン一本の転生教師。
将来の悪役を育て直すはずが、お父様まで受け持つことになった、笑って心が温まる家族コメディ。