あらすじ

【あらすじ】 アリスとベルは搭載された人工知能と髪以外はすべて同型の女性型人造人間だ。 ふたりは、宇宙探索のために作られた。人類が到達したという成果のために、ふたりには法的人格が与えられたほか、外からは自然人と見分けがつかないようなレベルにまで調整されていた。 ふたりは地球でしばらく過ごした後、火星に立ち寄り、パーツを調達して太陽系外に向かう。メンテナンスが行き届いた状態の機器での観察データや、採取したサンプルを地球に送りつつ、ふたりは宇宙の果てを目指していた。 太陽系を離れた後は、それまであった地球からの返信もない。世界でふたりだけになったような旅のうち、ふたりのパーツは徐々に壊れていく。アリスとベルはお互いに内部まで開いてメンテナンスをする。 あるとき、スリープするはずの期間に緊急で起こされたふたり。船に小石が衝突して穴が開いていた。船の修理のために船外活動をしていたベルが両脚を負傷したときには、アリスは自らの片脚をベルに移植した。そうして、お互いのパーツを融通しつつ、船も修理しつつ、なんとか航行を継続する。 そうして、主観時間で300年の時が過ぎた。もう太陽は視認できないほど、遠くに離れていた。 お互いのパーツをやりとりしたとしても、ふたりの身体はもう限界を迎えようとしていた。なんとか一台分をより合わせれば活動が継続できる。ベルは、アリスのために自分の身体を使ってほしいと申し出る。ベルの人工知能は、すでに限界になっていた。ふたりは同型だったが、長年の運用や、代用パーツの影響で、少しずつ癖がでてきていた。パーツをあつめてひとつになったアリスは、身体のあちこちに残った傷や動作の癖を、ベルだけのものとして慈しみつつ、アリスは最後まで旅を続ける。 当初目的としていた座標に到達したとき、アリスがすがったベルのひざがあたたかくなりはじめた。ベルは、最期にわずかでも起きられると賭けてスリープしていたのだった。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/09/30
  • 現在の作品宇宙の果てまで、あなたと