あらすじ
夏休みの初日。小学四年生のこはるは、祖母の雑貨店を手伝う三日月商店街で白い子ぎつねのポンと出会う。ポンは人が忘れた大切な記憶から生まれる「わすれもの動物」を案内する、ふしぎな動物園の見習い案内役だった。名物パンの作り方を忘れたパン屋さん。大切な歌を思い出せなくなった魚屋さん。そして、約束から生まれた青い鳥――。商店街のあちこちで起こる「忘れもの」を、同級生の大地やポンと一緒に追いかけるうち、こはるは気づいていく。忘れてしまったものにも、帰りたい場所があること。そして、思い出さないことと忘れてしまうことは少し違うということに。雨上がりの商店街を舞台に、忘れられた記憶と小さな動物たちがつなぐ、ひと夏のやさしいファンタジー。