あらすじ
三畳一間のアパート、積み重なる不採用通知、そして唯一の癒やしである豆柴の「ハル」。
貧困の底で必死に生きようとしていた主人公の日常は、ある雨の夜、アパートに侵入した謎の男によって無惨に打ち砕かれる。
男の手によって惨殺されたハル。
罪と愛着から、主人公はハルの血肉を小さなガラスの試験管へと収め、胸ポケットに差して生きるようになる。
正気を失い、バイト先のスーパーで客のパスタを素手で貪り食うまでに壊れていく主人公。
再び現れた謎の男と、胸ポケットの試験管が交差するとき、物語は誰も予想しなかった「甘く狂おしい理想郷」へと加速していく——。
鮮烈な絶望と多幸感が交錯する、シュール・ダークファンタジー。