あらすじ
世界王者の座を掴んだ財前空は、フィギュアスケートのさらなる高みを目指し、ロシア・モスクワの名門アカデミーへ単身留学する。
父・蔵之介譲りの冷徹な計算と、母・葛葉の瞳を独占したいという歪んだ執着を胸に、完璧な孤独の中で氷を舞う空。
しかし、誰も寄せ付けない彼の前に、韓国出身の17歳の神童・ヒムが現れる。
赤髪でおっとりとした雰囲気のヒムだが、いざリンクに立つと、かつての「狂犬」葛葉を彷彿とさせる狂気的な引力を放つ。
他者を愛することを知らなかった空は、母の影を纏うヒムに対し、初めて激しい「嫉妬」と「執着」を覚える。
氷上で火花を散らし、互いの欠落を貪り合う二人の怪物は、やがて逃れられない極限の共犯関係(バディ)へと墜ちていく――。天才ゆえの孤独と、毒を孕んだブロマンスの幕が開く。