あらすじ
敵は百八十。味方は十二人。しかも、全員が疲れ果てていた。
撤退を勧める副官に、若き隊長レイン・クロードは答える。
「全員倒す必要ないじゃん」
彼の固有魔法《転嫁》は、疲労や痛みを、仲間や魔鉱石へ移す力。
ただし、負担は消えない。石には限界があり、仲間へ移すには本人の同意が必要だ。傷も治らず、失った血も戻らない。
限られた兵と物資で、どう勝ち、どう生きて帰るか。
敵の補給を断ち、地形を利用し、仲間の力を組み合わせる。レインの策は、戦えるはずのない部隊を動かしていく。
軽口ばかりで副官を怒らせるくせに、仲間が危ういときには、自分が前に出て剣を抜く。
そんな隊長のもとに集まった兵たちは、やがて戦場の常識を変えていく。
十二人から始まる、知略と信頼の軍事ファンタジー。