あらすじ
高校生の佐伯悠真には、二年以上付き合いのあるネトゲ仲間《Lune》がいる。
顔も、本名も、住んでいる場所も知らない。
それでも毎晩一緒にゲームをして、学校の愚痴からくだらない話まで何でも話せる、悠真にとって一番気楽な親友だった。
そんなある日。
悠真は、学校一の人気者――そして今注目を集めるガールズバンド《Luminous》のボーカル、天城美鈴から突然告白される。
「私と付き合ってくれない?」
ほとんど話したこともない相手からの、あまりにも突然の告白。
悠真が真っ先に思ったことは――。
「……これ、絶対嘘告だよな?」
Luneに相談した悠真は、ある結論を出す。
どうせ嘘だと分かっているのなら、騙されたふりをして普通に付き合ってみよう、と。
こうして始まった、美鈴との偽物の恋人関係。
初デート。
放課後の寄り道。
ライブへの招待。
何気ない会話。
悠真は最後まで「普通の彼氏」として接し続ける。
一方、美鈴にとって悠真への告白は、本当にただの罰ゲームだった。
最初は。
「ちょろい」と笑っていたはずなのに。
いつしか彼からの連絡を待つようになり。
彼に褒められることが嬉しくなり。
嘘の恋人関係が終わることを、嫌だと思うようになっていく。
けれど悠真は知らない。
彼女の気持ちが少しずつ本物へ変わり始めていることを。
そして美鈴も知らない。
悠真が最初から、自分の告白を疑っていたことを。
――嘘から始まった恋が本物になった時。
果たしてその「本当」は、まだ信じてもらえるのか。
嘘告×ネトゲ×ガールズバンド。
騙しているつもりの人気者と、騙されたふりをしている平凡な男子。
そして二人を見守る、顔も知らないネトゲの親友。
すれ違いから始まる青春ラブコメ。