あらすじ

語り手は、鞄の持ち手に付いた小さな真鍮の鈴です。目がないので、音だけで世界を見ています。 持ち主の藤谷ちはるさんと、波守の海へ二泊三日のつもりで出かけました。島へ渡る船で、笑っても音のしない人と乗り合わせました。 三日目の夕方、ちはるさんは最終の船に向かって走りました。桟橋を三十六歩まで数えたところで、足音が止まりました。 そのころのわたしは、歩数なら数えられました。けれど、人が黙っている時間の数え方を、まだ知りませんでした。

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小説を読もう2026/09/30
  • 現在の作品めじるしの鈴 波守の夏――鳴らなかった時間は、覚えていません