あらすじ

ぼくは、自分の歳も本当の名前も知らない。  幼い頃に家族を失い、拾われた組織で殺し屋として育てられた。隠密魔術を使って人を殺す。仕事を終えた日には、決まって町の花屋に立ち寄る。  そこには、ぼくを「ぼくくん」と呼ぶ、ゆるふわなお姉さんがいる。名前も知らない彼女と花の世話をする時間だけは、何も考えずにいられた。  ある朝、花屋に一人の男が現れる。男が狙っていたのは、ぼくではなくお姉さんだった。 「不治のユラ」  そう呼ばれたお姉さんは、いつもの調子でぽやぽやと笑う。だが、男の魔術が彼女と店の壁を吹き飛ばしたとき、ぼくが知っていた日常は終わった。  殺されたはずのお姉さんは、燃える花屋の中で立っていた。 「ぼくくん、逃げよっか」  ぼくが帰る場所だと思っていた人は、かつて逃亡した最強のエージェントだった。

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カクヨム
カクヨム2026/09/30
  • 現在の作品不治のユラ~ゆるふわ殺し屋お姉さんとの逃避行~