あらすじ
### 『岳飛伝』あらすじ
現代の大学生・崔凱は、ある雨の夜、落雷に遭った。
目を覚ますと、そこは千年近く前の北宋末期。しかも自分は、見知らぬ少年「韋小宝」の身体になっていた。
そこは、まもなく靖康の変を迎えようとしている時代だった。
汴京では権力者たちが政争を繰り広げ、北方では金軍の脅威が日に日に迫っている。やがて宋王朝は戦火に包まれ、二帝は北へ連れ去られ、国はかつてない混乱に陥っていく。
そんな激動の時代の中で、崔凱は一人の若者と出会う。
岳飛。
まだ天下に名を知られていない一介の青年だった。
歴史を知る現代人である崔凱は、岳飛が後世に「民族の英雄」と呼ばれることを知っている。しかし、目の前にいる岳飛は、英雄として完成された人物ではない。迷い、怒り、傷つき、それでも祖国のために戦おうとする一人の若者だった。
崔凱は歴史を変えるべきなのか。
それとも、すでに定められた歴史を見届けるだけなのか。
靖康の変、金軍の南下、宗沢の奮戦、康王・趙構による南宋の成立。そして、秦檜をはじめとするさまざまな人物たちが歴史の流れに加わっていく。
一人の現代人が、歴史の渦中に足を踏み入れたとき、知っていたはずの「岳飛伝」は、まったく違う物語へと変わり始める。
これは、岳飛という英雄の生涯を描くだけの物語ではない。
英雄が英雄になる前の時代を生き、彼と出会い、その運命を目の前で見届けることになった、一人の現代人の物語である。