あらすじ
世界がおかしくなっても、仕事はなくならなかった。
配送会社で働く直人は、高熱と錯乱、噛みつき事件が広がっていく街で、それでも荷物を届けようとしていた。
道路が使えない。
店が開かない。
誰が感染しているのかも分からない。
昨日まで正しかった手順が、今日はもう役に立たない。
そんな街で見つけたのは、異常事態の中でも当たり前のように営業を続ける一軒のバーガーショップ。
PANDEMONIUM BURGER。
食事がある。
明かりがある。
そして店内にいられる時間は、四時間。
四時間が終われば、また四時間。
もう一度、またもう一度。
いつしか店には人が集まり、眠る場所ができ、物が運ばれ、仕事が生まれ、それぞれの生活が始まっていく。
けれど、ここは世界を救う場所ではない。
ゾンビは消えない。
街も元には戻らない。
PANDEMONIUM BURGERも、ただ営業を続けている。
これは、終末世界を攻略する物語ではない。
「ここにいなければ生きられない」と思っていた人々が、
いつか店を出て、
自分たちの暮らしへ帰れるようになるまでの物語。
そして今日も、扉のベルが鳴る。
「いらっしゃいませ」