あらすじ
迷宮救難局の通信解析官・御影朔にだけ、奇妙な通信が届く。
受信するのは、約一時間後に迷宮で死ぬ探索者が遺した、最後の声。
名前も座標も死因もない。あるのは、短い音声と反響だけ。
S級探索者・天城レナの声が告げた。
「助けに来るな。来たら、全員死ぬ」
朔に攻撃スキルはない。音の返り方を測り、地形を読み、救助に向かう人と残される人の判断をつなぐだけだ。
それでも六十分は過ぎていく。
これは、未来を知って勝つ物語ではない。
確証のない音を手掛かりに、本人の意思と限られた装備で「死ぬはずだった結果」を変える、救難サスペンス。
一つの救出が終わるたび、誰がこの通信を待ち受けていたのかという謎が近づいてくる。