あらすじ
午前二時、雷で町中が停電した土砂降りの夜。
眠れないWebデザイナーの蒼太は、明かりを求めて外に出た先の交差点で、傘も差さずに地面を照らす女性と出会う。
びしょ濡れなのに、なぜか綺麗に見えた彼女――雨宮灯が探していたのは、押し花の四つ葉が入った小さなキーホルダーだった。
「……幸せ、落ちてた」
彼女が呟いたその言葉に、蒼太の胸の奥で、古い引き出しがかたりと鳴る。
坂の下のパン屋の店員と、月に二度の客。お互いに見覚えがあるのは、きっとレジ越しの記憶だけじゃない。
朝四時の電話から始まる、十五年越しの小さな恋の物語。