あらすじ
時代は、明治十年代。
「文明開化」という欺瞞の裏で、千年の国宝を薪(まき)として叩き割る「廃仏毀釈」の狂気が日本を覆っていた 。
東京帝国大学の米国人教授アーネスト・フェノロサは、日本語を話せぬ男だった 。
だが彼の瞳は、キリスト教の死んだ教義や、故郷セーラムの魔女狩りを先導した少女アビゲイルの残影に絶望したからこそ、東洋の墨の線に宿る、日本美術の芸術性に、歓喜する。
彼は、横浜のバラ塾で生の英語の音を聴き取り学んだ、天才・岡倉天心という最高のバディと手を組み、二束三文の実費でのちに国宝となる、作品を救済した。
日本人の西洋文明への、憧れがれこれが、アーネストの、一生涯を賭けた美の闘いとなる。
日本美術を、麗しく、愛おしく、信じた、2人の男たちの知の逆転劇がはじまります。